特別支援学校の教室不足わずか8教室? 文科省の調査に大阪府が回答

 文部科学省が2016年10月に各都道府県に対して行った教室不足調査について、大阪府教育庁が提出した回答内容が明らかになりました。障連協が大阪府教育委員会に対して情報公開請求を行い入手したもので、結果報告概要は下表の通りとなっています。

 大阪府が公開した表にある通り、府下62の本校・分校・分教室のうち、27の支援学校で、特別教室転用90教室、管理所室転用15教室、教室の間仕切り37教室、屋体・廊下の間仕切り10教室、倉庫・準備室等の転用27教室、その他対応1教室と、深刻な教室不足数が各校からあげられています。しかし新たに整備を必要とする教室(普通教室)は8教室どまり。しかもこの8教室は、大阪府立ではなく堺市立百舌鳥支援学校が申告しているもので、旧大阪市立を含むすべての大阪府立の支援学校で、大阪府は国に対して「新たな整備は必要ない」と回答しことになります。

 表中、「一時的な対応状況」にあげられている教室数から「今後現状のまま使用する教室」を引いたものが「今後整備する必要がある教室」とされており、一時的対応を現状のまま続けるというのが大阪府教育庁の姿勢のようです。しかも文部科学省の「調査記入要領」では、「今後現状のまま使用する教室」は「現状で満足しており、今後現状のまま使用したとしても、教育上特段支障がないと判断している教室数」と解説されており、どのような根拠をもってだれが「教育上特段支障がない」と判断したのかの経過説明が求められます。障連協では引き続き府教育長に経緯の説明を求めていくことにしています。

情報公開決定通知(PDF)

大阪府が公開した資料(PDF) 

(2017年12月5日掲載)